NEXON SUSTAINABILITY

INITIATIVES
JP / EN

サステナビリティに関する考え方及び取組

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは世界最高のゲーム会社を目指し、新規のゲームタイトルにおいては楽しくて、独創的で他のゲームと異なるゲームを提供すること、既存のゲームタイトルにおいては、魅力的なコンテンツアップデートとユーザーを満足させるゲーム運用を通じて、ユーザーに長期間にわたり継続的にゲームプレイを楽しんでもらうことを基本方針としております。そのような基本方針のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために、サステナビリティに関する各種課題への適切な取組を経営の重要課題の一つとしてとらえております。

(1) ガバナンス

当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上するため、サステナビリティ推進体制を強化しております。当社は2024年12月10日付で、取締役会の諮問機関として代表取締役最高財務責任者 植村 士朗が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、代表取締役最高財務責任者 植村 士朗のほか、社外取締役(監査等委員)本多 慧及び社外取締役(監査等委員)国谷 史朗を含む委員6名で構成されております。サステナビリティ委員会は当社グループの持続可能性に関する様々なテーマについて主要なリスク及び機会を監視・管理し、戦略の策定、取組の決定を行っております。サステナビリティ委員会で決定した戦略や取組は、取締役会に定期的に報告され、その監督を受けております。また、サステナビリティ委員会の下部組織としてサステナビリティ事務局を設置しており、法務、経理財務、人事等の関連部署と協力して当社グループにおけるサステナビリティ方針及び戦略に沿った取組を実施しております。

(2) リスク管理

サステナビリティに係るリスク及び機会に関しては、サステナビリティ委員会がサステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、管理しております。そのうえで、優先的に対応すべきリスクと機会の絞り込みについては、中長期的な観点から当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえてサステナビリティ委員会の中でより詳細な検討を行います。
サステナビリティ委員会は、企業におけるサステナビリティに係る開示ガイドラインを示すSASB (Sustainability Accounting Standards Board)等の基準を参考に、当社グループが取組むべきリスクと機会を識別し、その重要性を鑑みたうえで、以下の項目を重要なサステナビリティ課題として認識し、戦略及び取組を設定しております。サステナビリティ委員会で決定した戦略や取組は、取締役会に定期的に報告され、その監督を受けております。また、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応状況についても、サステナビリティ委員会においてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されます。

重要項目 リスク 機会
気候変動
  • ・温室効果ガス排出に関する規制強化等に伴う費用及び投資の増加(移行リスク)
  • ・自然災害に伴う資産価値の損失及び資源の枯渇(物理的リスク)
  • ・環境に配慮した活動による企業イメージの向上
  • ・エネルギー削減施策によるコスト低減
人的資本
  • ・人材の多様性が不足することで生じる課題や業務効率の低下
  • ・人材育成に関する投資の拡大
  • ・多様性を重視した人的資本の活用により、創造的なアイディアが生まれる業務環境を実現
  • ・人材育成への投資を拡大することで、従業員のモチベーションを向上させる
IP(知的財産権)
  • ・IP創出における競争の激化
  • ・IPの創出、取得、管理への投資の増加
  • ・IPの継続的な活用によるビジネス機会の拡大
  • ・新規IPの創出を通じたブランド価値の向上

(3) 気候変動

当社グループでは、中長期的な視点で気候変動がバリューチェーン全体に及ぼす影響やもたらす機会を的確に見極め、適切に対応する必要があると考えております。その一環として、温室効果ガスの削減目標を設定し、気候変動が経営に与えるリスクと機会を分析したうえで、最適な対策を講じることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

① 戦略

当社グループでは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、(1)低炭素経済への移行に伴うリスクと(2)気候変動による自然災害などがもたらす財産損失等の物理的リスクを把握し、これらに対応 するための戦略を策定・推進しております。今後も気候変動の影響を定期的に評価し、必要に応じて当社グループ全体の戦略、指標、目標に適切に反映するとともに、関連情報の開示を積極的に行ってまいります。

(ⅰ) 主要な設備における使用エネルギーの削減

気候変動に伴う自然災害の発生は、NEXON Korea Corporationの社屋を含む当社グループの主要設備に対し、多額の損失や復旧費用の発生、サービスの中断による事業運営への支障などのリスクをもたらします。当社グループでは、こうしたリスクに対応するため、主要設備で排出される温室効果ガスを削減し、使用エネルギーを抑制する方策を検討しております。具体的には、GHGプロトコルに基づいて算定が必要な活動を特定し、主要設備から排出される温室効果ガスの把握・管理を進めております。

(ⅱ) 再生可能エネルギーの活用

脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーへの移行を通じて環境負荷を低減するため、温室効果ガス排出量の削減に取組んでいます。その一環として、太陽光パネルの設置や電気自動車への移行など、再生可能エネルギーの利用割合を拡大するための施策を検討しております。

(ⅲ) エネルギーの再利用による費用の削減

当社グループでは、気候変動がもたらす機会の一つとして、省エネルギーによるコスト削減を目指すため、水資源と廃棄物の再利用に取組んでいます。また、水資源の取水量及び再利用量、並びに廃棄物の廃棄量及び再利用量の変動を継続的に把握・管理し、さらなる改善に努めてまいります。

(ⅳ) 環境教育の実施及び環境負荷軽減への取組

当社グループでは、気候変動への取組みとして、環境と調和した企業活動の推進が、将来の脱炭素化社会に対する適応力を高めるとともに、企業イメージの向上につながる好機であると認識しております。これに向けて、従業員を対象とした環境教育の実施、使い捨てカップの使用量削減、退勤時の事務機器の電源オフ、不要なEメールの削除など、環境負荷の軽減に向けた取組みを進めております。

(ⅴ) データセンターにおけるエネルギー消費量の削減

当社グループの主な事業は、PCオンラインゲーム及びモバイルゲームの制作・開発・配信であり、一般的な製造業と比べるとエネルギー消費量はそれほど大きくないと考えられます。一方で、データセンターにおけるエネルギー消費割合が高いことから、当社グループではGHGプロトコルに基づいて温室効果ガス排出量を把握し、データセンターでのエネルギー消費量の削減に努めております。

② 指標及び目標

当社グループの気候変動に関する指標及びその実績は、以下のとおりであります。なお、気候変動に関する戦略をモニタリングするために、具体的な目標の設定を検討していることから、当該目標は記載されておりません。

・温室効果ガス排出量
指標 2023年度実績 2024年度実績
Scope 1 (tCO₂e) 141 147
Scope 2 (tCO₂e) 5,946 6,018

(注) 1. Scope 1については、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のガイドラインが提示した排出係数を適用し算定しております。
2. Scope 2については、各国の当局が定めるガイドラインに準拠して排出量を算定しております。
3. 上記の温室効果ガス排出量は、当社グループが所有する主要設備(社屋等)に関して算出したものであります。

(4) 人的資本

当社グループは世界中でオンラインゲームのサービスを展開しており、年齢や性別、国籍、障害の有無を問わず、各拠点で多様な人材活用を進めております。また、国境を跨いだ優秀人材の配置・活用を進めており、技術・ノウハウの横展開を通じて、グローバルレベルでの開発水準の底上げに取組んでおります。当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。

① 戦略

(ⅰ) 人材の多様性

当社グループは、高品質なゲームコンテンツを創造し、楽しい体験を提供するため、人材を重要な資本と考えております。そのため、従業員の個性と才能を尊重し、多岐にわたる分野で様々な人材を採用しております。また、外部からの採用に加え、ゲーム業界で活躍できる人材の発掘と育成にも力を入れております。韓国では、オンライン及びオフラインの採用説明会やゲーム制作サークルへの支援、産学連携プログラムを通じて、ゲーム業界に関心を持つ大学生を支援しております。これらの取組みを通じて、多様なバックグラウンドと経験を持つ人材を採用しており、その結果として、性別、年齢、国籍、宗教、LGBTQの有無、障害の有無に関わらず、多様な価値観、考え方、専門知識、経験を持つ人材が自己の個性と能力を発揮し、活躍できる環境を構築し、維持しております。

(ⅱ) 人材の育成

当社グループは従業員の成長を全面的に支援し、「クリエイティブな人材」の育成に注力しております。知識と能力の向上を目的とした教育支援に加え、創造力を刺激する文化芸術プログラムや、組織全体の成長を促す開発プログラムを提供しております。韓国における社内eラーニングシステムでは、従業員専用のオンライン教育プラットフォームを通じて、職務能力、リーダーシップ、経営学、新入社員教育を含む多様なコースを提供しております。さらに、クリエイティブな文化風土を育成し、創造性を高める目的で、社内の専用フォーラムでは文化芸術体験プログラムを実施しております。これらの多様な社内人材育成プログラムを通じて、従業員の個々の成長を促進し、結果としてユーザーに対してより高品質でクリエイティブなコンテンツを提供する基盤を築いております。

(ⅲ) 働きやすい職場環境

当社グループは、多様な人材が健康的に働ける職場環境を整えることに注力しております。特に韓国の従業員に対しては、個々の勤務パターンに合わせた柔軟な労働時間の選択が可能な制度を実施しております。さらに、ワークライフバランスを支援するため、韓国では社内託児所を自ら運営し、従業員の家庭と仕事の両立を積極的に支援しております。

② 指標及び目標

当社グループの人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標及びその実績は、以下のとおりであります。なお、かかる方針に関する戦略をモニタリングするために、具体 的な目標の設定を検討していることから、当該目標は記載されておりません。

(ⅰ) 男女別従業員比率・管理職に占める女性従業員の割合(人材の多様性の確保)
指標 2023年度実績 2024年度実績
男女別従業員比率 男性65%・女性35% 男性66%・女性34%
管理職に占める女性従業員の割合(注) 24% 23%

(注)「管理職」とは、当社の場合はリーダー以上のライン管理職をいい、当社以外の連結子会社(全て海外法人)の場合は各社の組織や職務状況などを考慮し決定しております。

(ⅱ) 育児休業取得率(社内環境整備)
指標 2023年度実績 2024年度実績
男性従業員の育児休業取得率 4% 5%

(注) 男性従業員の育児休業取得率は、当社及び当社グループの主要拠点である韓国所在の子会社を対象にしております。なお、当社グループの総従業員数のうち当社及び当該子会社の従業員数が占める割合は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ84%及び88%であるため、当該実績は連結ベースに近いものとなっております。

(5) 知的財産権 (IP)

当社グループはオンラインゲームの制作・開発・配信を行う企業として、現在のゲーム業界における競争の激化を深く認識しております。技術の進化に伴い新たな競争相手が絶えず市場に登場し、ユーザーの期待も日々高まっております。長年にわたる多様なIPの蓄積を活用して新しい事業機会を創出し、新規IPの開発を通じてブランド価値を向上させる努力を続けております。このような環境の中で、適切なIP投資と保護が持続可能な事業成長と中長期的な企業価値の向上に不可欠であると認識し、これを経営戦略の重要な課題として位置づけております。

① 戦略

(ⅰ) 既存IPの強化と拡大

当社グループは、自社の二大タイトル『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)と『メイプルストーリー』(MapleStory)を中心に、自社のIPを育成してきました。これらの既存ゲームを継続的に運営しながら、そのIPを活用した新作ゲームの開発を進め、ユーザーに新鮮なゲーム体験を提供するよう努めております。その一環として、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)のIPをベースにした新作『The First Berserker: Khazan』、『Project OVERKILL』、及び『Project DW』を開発しております。また、ゲーム以外の分野でも自社IPを積極的に活用し、ビジネス機会を拡大しております。特に、『ブルーアーカイブ』(Blue Archive)、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)、及び『メイプルストーリー』(MapleStory)のゲームストーリーを基にしたWeb漫画、Web小説、アニメーションを制作し、魅力的なストーリーラインとキャラクターで利用者を惹きつけ、IPの活用範囲を拡大しております。

(ⅱ) 新規IPの創造

当社グループは、「Big & Little」戦略を通じて、大規模プロジェクトと実験的な小規模プロジェクトを並行して進行し、多様なジャンルの新作ゲームを発表しております。Bigプロジェクトにおいては、『The First Descendant』(ルートシューター)、『NAKWON: LAST PARADISE』(エクストラクションRPG)、『Project DX』(MMORPG)、そして『ARC Raiders』(サバイバルシューター)など、複数のタイトルを開発しております。一方、Littleプロジェクトでは、自由な開発環境のもとで挑戦的かつクリエイティブなゲームを創出しております。特に、Mintrocket社(元はNEXON Korea Corporationの社内部門で、当連結会計年度に完全子会社として法人化)は、ハイブリッド・海洋アドベンチャーゲーム『デイヴ・ザ・ダイバー』(DAVE THE DIVER)を発売し、Steamでのグローバルローンチ後、累計販売本数500万本を突破いたしました。今後も新たなコンテンツのリリースを計画しております。

(ⅲ) 研究開発部門への投資

当社グループは次世代技術をリードするため、研究開発担当の新たな組織を設立し、技術革新への投資を強化しております。この取組みの一環として、2017年にゲーム開発における技術的な多様性と変化に対応し、独自の研究開発ニーズに応えるため「インテリジェンスラボ」というデータサイエンス研究組織を創設いたしました。現在、インテリジェンスラボは業界最大規模である700人以上のメンバーを擁し、ゲーム内機能の高度化はもちろんのこと、マシンラーニングやディープラーニングを活用した先進的なシステムの開発にも着手しております。これにより、ユーザーにより楽しいゲーム体験を提供するための環境を整え、積極的に研究開発活動を進めております。

(iv) IPの保護

当社グループは、自社IPの保護を図るため、特許や商標の出願を積極的に進めております。さらに、侵害行為への対策を強化し、第三者によるゲームコンテンツを含む各種IPの侵害が確認された場合には、迅速に対応し侵害要因を排除するための措置を講じております。

② 指標及び目標

当社グループは、世界最高レベルのIPを持続的に創出し維持する開発力と技術力を備えており、これを基盤にビジネス機会を拡大し、ブランド価値を着実に向上させております。当社は、今後も持続的な成長を目指し、IP創出への継続的な投資の重要性を認識しております。そのため、様々な指標及び実績を管理しておりますが、具体的な数値目標は設定しておりません。これは開発やリリースの状況によって目標値が頻繁に変動する可能性があるためです。

(ⅰ) 研究開発費
指標 2023年度実績 2024年度実績
研究開発費の金額(百万円) 24,618 24,944
研究開発費の割合(%)
(研究開発費÷売上収益)
5.8 5.6
(ⅱ) 特許登録件数
指標 2023年度実績 2024年度実績
新規登録件数 63 65
期末登録件数 330 385